Shall We…?

心理学専攻の女子大生の学びと思考。少しだけ覗いてみませんか?

【虐待経験者が】体罰のメリット・デメリット【心理学的視点から見てみた】

 

こんにちは

エアコンに頼りすぎなので

電気代が心配なこっちゃんです。

 

今回は体罰について。

 

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心理学における

学習に関する理論

メインに据えて

ご紹介します。

 

体罰に関心のない方にも

役立つ知識を盛り込んでいますので

よければご覧ください。

 

こんな方におすすめ

  • 心理学に興味がある
  • 子育てに関心がある
  • 体罰を受けた経験がある
  • なんだかやる気が出ない
  • パブロフの犬を知っている

 

【目次】

 

 

こっちゃんの体罰への思い

 

こっちゃんも

体罰は幼少期受けてきましたが

猛反対の立場です。

(詳細はこちら↓)

kocchankocchanneekocchan.hatenablog.com

 

子育てを実体験していない小娘ですが

体罰は怠慢だと考えています。

 

では

何故メリットも書くのか。

 

世の中には

悪気なく

体罰は必要なもの

体罰=愛

とのたまう方々もいます。

 

そういった方々には

デメリットこんなにあるよ!と

伝えても届かない。

 

ビジネスにおいても

交友関係においても

 

人と接する上でまず大切なのは

相手の立場を分かろうとすること。

 

そのため

メリットにも触れようと思います。

 

また

メリットがあるゆえに

安直に頼ってしまう

という理解にもつながれば

と思います。

 

思い入れのある分野なだけに

法律の話や日本の風潮にも

触れたいところですが

 

今回は堪えて

心理学的視点から見た体罰について。

 

体罰のメリット

体罰は効果がある?

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結論から言うと

あります。

 

体罰を良しとする人々の多くは

 

  • 悪いことをすればしつけとして体罰
  • いいことをすれば褒める

 

こうすることで

社会に適応した人間に育つ!

 

という考えを

お持ちなのではないかと思います。

 

飴と鞭ですね。

 

心理学的視点から見ると

確かにこれには効果があります。

 

オペラント条件付けって知ってる? 

 

オペラント条件付け

というものをご存知でしょうか?

 

世間のイメージからは

少し外れるかと思いますが

 

心理学には

 

心には言及せずに

行動のみに着目し介入しよう

という考えもあります。

 

つまり

 

個人の心の中は

客観的に観察できないですが

(心理学でそれを言うなよとは思う)

 

行動なら

客観的に観察できるよね!

ということです。

 

オペラント条件付けは

その流れで

Skinnerという人物が見つけたもので

 

簡単に言えば

飴と鞭を理論づけたものです。

 

従来の考え方は

  • 行動→好ましい環境変化→行動増加
  • 行動→嫌悪的な環境変化→行動減少

でしたが

 

「好ましい」「嫌悪的」は

主観的な感情

客観的には判断できない。

 

むしろ

  • 行動が増加したのなら好ましい環境変化
  • 行動が減少したのなら嫌悪的な環境変化

と考える方が

 

環境を適切に設定することで

行動を制御することが可能になります。

 

つまり

Skinnerの考えはこう。

  • 行動→環境変化A→行動増加→A=好ましい環境変化
  • 行動→環境変化B→行動減少→B=嫌悪的な環境変化

 

身近な例で示すと

  1. 親に「宿題をやれ」と言われた
  2. 「もうやった」と返した(行動)
  3. 親はその場を立ち去った(環境変化)

その後

同じような状況で

「もうやった」と返す行動が増加したとすると

(きっとやってない)

 

親がその場を立ち去ることは

子どもにとって

好ましい環境変化だと考えられます。

 

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では

宿題をやっていないのに

「やった」と返す子どもに悩んだ親御さんに

どのように

アドバイスをすればよいのか?

 

Skinnerの考え方を復習すると

  • 行動→環境変化A→行動増加→A=好ましい環境変化
  • 行動→環境変化B→行動減少→B=嫌悪的な環境変化

 

つまり

親が立ち去るから行動が増加している

と考えることができます。

 

それなら

親が立ち去らなければいい。

 

宿題を始めてから立ち去る。

 

その直後に宿題を中断することが続くなら

 

今度は宿題をやり終えるまで立ち去らない。

 

このように

環境を変えることで

行動を変化させられる

という考えに基づいて

オペラント条件付けは定義されています。

 

体罰はオペラント条件付け 

 

オペラント条件付けの説明が

長くなってしまいましたが

 

子育てにおける体罰

オペラント条件付けに当てはめてみます。

 

  1. 子どもが悪いことをする(行動)
  2. 親が体罰をする(環境変化)

その後

子どもが悪いことをする頻度が減れば

オペラント条件付けが成り立っており

体罰には効果が認められます。

 

そして

暴力というものは

個体の安全を脅かし

生存本能に強く働きかけるものですから

 

体罰

オペラント条件付けが

成り立ちやすいと考えられます。

 

 体罰のデメリット

条件付けの副作用:学習性無力感

 

学習性無力感

というものをご存知でしょうか?

 

簡単に言うと

自分の意思が

結果に反映されない状態が続くと

 

反映される状況になったとしても

無力感が勝り

行動しなくなるというものです。

 

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自分で「できる」と思える感覚を

心理学 では

自己効力感と呼びますが

この自己効力感が働かなくなった状態。

 

これは

体罰に限らず

度を超えた口出しによっても

生じます。

 

大抵の子どもは

親に力でも口でも敵いません。

 

自分が

何をしようと

何を言おうと

 

大人には

通じないと悟ってしまうと

子どもは学習性無力感に襲われると

考えられます。

 

そして

この学習性無力感が

大人になるまで続くと

 

  • 自己効力感が低い
  • 自分で考えて動くことができない

 

こういった状態になることが想定されます。

 

つまり

体罰などで

注意されたことはピンポイントでやめるが

他に応用して

考えることができなくなる

 

そして

自己効力感がさらに下がり…

という負のループが予期されます。

 

安直なオペラント条件付けにより

用が効かず

自己効力感の低い人間が育つ

 

と言えます。

 

古典的条件付け(パブロフの犬)

 

古典的条件付け

という言葉を聞いたことがある方は

少ないかもしれませんが

 

パブロフの犬と言うと

知っている方も多いのではないでしょうか?

 

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ただ

パブロフの犬の実験について

詳しく知っている方は多くないかと思います。

 

まずは

パブロフの犬を例に

古典的条件付けの説明を。

 

パブロフの犬

餌がもらえるわけではないのに

ベルの音でよだれだらだらになってしまう

と知られています。

 

これは

犬がアホという話ではありません。

 

ましてやベルがすごいわけでもありません。

 

鍵は「餌」です。

 

よだれが出るのは

元は餌に反応した結果です。

 

その餌とベルの音を

セットで認識させることで

(心理学用語→対呈示)

 

ベルの音だけでも

餌への反応として

よだれだらだらになってしまうのです。

 

この古典的条件付けの鍵となるものは

餌以外にも本能に訴えかけるものが

有効とされています。

 

その後の反応は

(パブロフの犬で言うよだれだらだら)

生理反応と捉えてください。

 

これを体罰に当てはめてみます。

 

暴力は生存本能に訴えかけるものです。

これが鍵となります。

 

そして

それに対する生理反応は

 

  • 目をぎゅっとする
  • 身体がびくっとして縮こまる
  • 心拍が早くなる

 

つまり怯えが見られます。

 

 

パブロフの犬で言う

ベルの音の役割をするものは

 

 

が考えられます。

 

つまり

 

  • 体罰をする人を見る
  • 体罰をされた場所に行く

 

だけで怯えるようになる。

 

対人ææçã®ã¤ã©ã¹ã

 

こうした条件付けは

しばらくされない場合

自然と解消されるものですが

 

トラウマ(心的外傷)になってしまうと

数年間苦しむこともあります。

 

こっちゃんは

暴力を振るわれなくなって

10年は経ちますが

未だにそれが原因であろう悪夢を見ます。

 

今回の心理学まとめ

 

  • オペラント条件付け
  • 学習性無力感
  • 自己効力感
  • 古典的条件付け

 

どれぐらい覚えていますか?

もし身近に

興味がありそうな方がいたら

教えてあげてください。

 

復習はこちらから…

 

終わりに

こんなにも長い文章を

最後まで読んでいただき

ありがとうございます。

 

 

はじめに

体罰は怠慢と述べましたが

 

体罰には確かな効果があるからこそ

やってしまうのだろうと思います。

 

しかし

長期的に見ると

生み出されるのは

親に都合のいい操り人形かもしれません。

 

まだ子育てに携わったことのない身の上ですが

自分も含め

言われたことしかできない人間を

多く見てきました。

 

それでは

人間である必要がないと思うのです。

 

人間らしい人間が溢れる世界であってほしい

と思います。

 

 

溢れる思いを抑えきれずに

また語ってしまいました。

 

ご感想等あれば

お聞かせいただけると励みになります!

 


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